Jan 29, 2007

恋の花園で・・・

  花園の中で見つけた可憐な少女
  優雅な振舞いで僕を魅了する
  笑みを浮かべ 手を差しのべ
  幻想へと身を駆り立ててゆく

  「彼女は何処へ?」
  僕はふと足元に見つけた一輪の花を摘んで
  無限に配した野を駆けめぐりゆく

  昼も夜もない世界
  足取りは軽く 蝶と戯れ
  小鳥の調べに乗せて
  優しさの中 愛に包まれ
  一つの想いに花を咲かせていた

  「彼女は何処へ?」
  僕は気付いた 野原の続く道端で
  困難もないままに彼女に再び出逢えることはない、と
  これからの不安を抱きながら青の花畑を通り過ぎた

  天空の滝が降り注ぐ
  天まで続く階段が僕に「歩め」と助言する
  園の喜びに後ろめたさも残さず
  叶えたい一心で一つ足を進ませた

  無限に続く階段が僕に狂乱の魔導をかける
  変化のない背景に溶け込んでゆきそうになる

  「この道は何処へ?」
  僕は気付いた 階段が消え去っていることに
  今まで歩んできた道もこれから歩む道さえなくて
  不安が僕にのしかかる 辺りが暗くなり始め
  僕の躰が少しずつ下降し始めている・・・・

    僕は思った
    「帰りたい、あの花園へ」
    一心にそう願っていた

  突然 空中に放り出されて
  まっさかさまに落ちていった

  どれほど時間が経ったのだろう
  僕は園で平穏な流れに身を任せて
  前と異なる所は僕の傍にはいつも
  天に通じる階段があることだけだ

  でも僕はもうあの事に懲りて見向きもしなかったが
  どうも喉の奥に何かが引っかかったような感じがする
  そう思っていた この瞬間・・・

  シルエットが僕の横をかすりゆく
  忘却の魔導を解き僕は我に帰す
  一つの想いがふつふつと胸に返り咲いてくる

  「時間の許す限り・・・」
  僕はあの時の花を手にして再び登り始めた

  無限に続く天空が僕に恐怖の魔導をかける
  大きな口が小さな僕を呑み込もうとする

  「彼女は何処へ?」
  少しも手掛かりはなく
  でも何故か傍に居るような気がして
  困惑の中で僕は歩みゆく

  躰がどんどん重たくなってゆく
  足取りがふらつきはじめ
  初めての疲労の中で僕は倒れ込んだ・・・

  夢を見ていた
  白い大きな神殿の間
  彼女とめぐり逢う夢を・・・

  「もしも行けるのなら あの神殿に辿り着きたい・・・」

  冷たい水飛沫が僕の頬をうって
  僕の幻を消し去った・・・意識が戻ってくる

  辺りを見回すと 僕は川の畔に佇んでいた
  その先には夢の続きのようなあの神殿が静寂に身を包んでいた

  「辿り着いたんだ・・・」
  行方もしれない迷路の出口で僕は立ちすくんでいた

  足を踏み入れたその神殿は
  透き通るような青白い神殿だった

  冷たい風が通り過ぎる・・・彼女は居なかった
  ずっと待っていても叶えられることはなかった

  悲しさというのか 
  努力が報われなかったからなのか
  涙で白い部屋が歪み始める

  「彼女に逢いたい、逢いたいよ・・・」
  涙が失くなるほどに僕は恨みながらにそう言った

  長い時間がそこにはあった
  今まで閉静的な部屋が暖かみを帯びた
  安らぎを感じる部屋へと変わり果てていた

  僕は泣き止んだ
  まだ はっきりとした情景は掴めていなかったが
  変わりゆく背景の中でただ一人変わらない僕が居た

  形がはっきりとあらわになる中に
  白く装った彼女が佇んでいた

  彼女は微笑んでいた・・・手を差しのべて
  再び幻想へと駆り立てた

  これじゃ まるであの時の場面じゃないか

  怒りを伴う想いの中で何をしていいのかわからず
  本心を形に変え僕は強く意識した

  「行かないでくれ、傍に居てほしい・・・」

  僕の手に暖かみが添えられて
  瞳を開けると彼女が僕の手を握りしめていた

  感動がこみあげ再び涙を落とした
  胸が詰まる想いで言葉を口にすることもできず
  もう一度 想いを形にした

  手をまわして彼女を包み込んだ
  全ての温かさが伝わってくる・・・

  あの時の想いが目の前に鮮やかに蘇って
  僕はまたあの時の想いを大切にしまい込んだ

  一生の幸せと一輪の花、そして愛情を・・・・

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